喘息の発作が出ると大変に苦しい病気ですし、急に発作が出るときもあるので薬を常備する必要がありますが、もし薬以外で発作を和らげることができれば、それにこしたことはありませんね。
そこで喘息の発作がどのようにして起きるのかを述べた後、腹式呼吸が喘息の発作を和らげることができることについて、述べていきます。
喘息の症状とメカニズム
喘息を患っている人は慢性的に気管支が炎症を起こしていて、気管支の壁がむくんで気道が狭くなってしまうので、空気が通り難くなって息苦しさを常に感じてしまいますが、特に息を吸うときよりも息を吐くときに息苦しさを感じます。
その結果吐ききれない空気が肺に残って胸郭を膨らませて圧迫し、呼吸が更に浅くなって呼吸困難を引き起こすこともあります。
そして、気管の上皮が剥がれ落ちているために、たばこや埃・ストレスなどの刺激に敏感に反応して痰などが増えて呼吸が苦しくなり、「ヒューヒュー」などの喘鳴が出たり、激しく咳込んでしまうこともあり、場合によっては呼吸困難によって酸素の供給が行き渡らず、肌や指先などが紫色に変色することもあって、大変危険な状態になることもあります。
喘息の緩和に働く腹式呼吸の効果
呼吸は肺を動かして行なう胸式呼吸と、お腹を動かして行なう腹式呼吸がありますが、ただでさえ胸式呼吸は呼吸が浅く深い呼吸を行い難いものですが、喘息を患うと気管が狭くなって更に呼吸が浅く息苦しくなってしまいます。
呼吸が浅くなると吐く息は吐ききれなくなりますが、吸った息も肺の中に届かないで吐き出されてしまうこともあるので、肺の中に酸素が十分に供給されることが難しくなり、その結果全身に送られる酸素の量が少なくなって、新陳代謝に悪影響を出す危険性もあります。
しかし、横隔膜を大きく動かして腹式呼吸で深い呼吸を行なうと、肺の中まで届き難かった酸素を肺の中に多量に取り込むことが出来るので、息苦しさを緩和することができ、その結果全身に送る酸素の量を増やすことが出来るので、新陳代謝を促すことが可能となります。
そして、喘息発作の原因にストレスも上げられますが、腹式呼吸を行なうと副交感神経が刺激されてストレスが緩和され、心が穏やかになっていく作用もあるので、喘息発作を和らげる要因のひとつに上げられます。
まとめ
喘息を患う人は年々増えているといわれています。
増え続ける要因は喘息を発症させているアレルゲンの増加によりますが、逆に家庭や職場環境の清潔化や除菌化が、アレルゲンに対する抵抗力を弱めてるからという話しもあります。
このような環境にあっては自分自身ばかりではなく生まれてくる命に対しても、喘息は他人事ではなくなっているというのが現状でもあります。
そこで、喘息を患わないようにする対策も必要ですが、もし喘息を患って発作が出たときに、緊急の対策として腹式呼吸を行なって発作を緩和できたら便利だと思われるので、腹式呼吸を行なってみたいものです。