呼吸法には胸式呼吸と腹式呼吸がありますが、ゆっくりと行なうことで効果を発揮する呼吸法があります。
そこで胸式呼吸と腹式呼吸の特徴を述べながら、ゆっくりと行なうことで効果がある呼吸法について述べていきます。
胸式呼吸は速い呼吸に適している呼吸法
胸式呼吸は肋骨や横隔膜を動かして行なう呼吸法になりますが、肺の動きが胸郭に制限されていることもあって、比較的浅い呼吸になり呼吸の回数が増える傾向にあります。
しかも呼吸で働く横隔膜は自律神経である交感神経の影響を受けているために、胸式呼吸を行なっていくと交感神経が刺激されていきます。
そして特にストレスが溜まっている状態の時にはアドレナリンが分泌されていき、その結果気道が拡大して呼吸数が増えて細かい呼吸を頻繁に行なったり、血管が収縮することで脈拍や心拍数が増えていきます。
胸式呼吸のこのような特徴から、ゆっくりと呼吸を行おうとすると腕を動かすなどをして胸郭を広げて深呼吸を意識的に行わなければならないため、普通にゆっくりとした呼吸には向いていない呼吸法になります。
腹式呼吸はゆっくりとした呼吸に適している呼吸法
腹式呼吸は意識してお腹を膨らませたり凹ませることで行なう呼吸法になりますが、お腹の動きに呼吸を合わせることで、胸式呼吸と比べてゆっくりとした呼吸を長時間繰り返して行なうことが出来ます。
しかもゆっくりとお腹を動かして繰り返し呼吸を行なうことで、副交感神経が刺激されてセロトニンが分泌されていきます。
セロトニンが分泌されると不安感や恐怖心などが和らいで、心が落ち着きリラックスしていきます。
特に睡眠前に腹式呼吸をゆっくりと行なうことで日中活発であった交感神経が落ち着いてきて、その代わりに副交感神経が活発になり、その結果メラトニンが分泌されて深い睡眠を得ることが可能となります。
まとめ
胸式呼吸は肺が胸郭に囲まれていることもあって比較的ゆっくりとした深い呼吸を行ない難い呼吸法になります。
そして交感神経の影響を受けているためにストレスが溜まるなどしたときに交感神経が刺激されて呼吸数が増えたり脈拍や心拍数が増えるために、比較的ゆっくりとした呼吸を行ない難い呼吸法になります。
一方腹式呼吸は意識してお腹をゆっくりと動かすことが出来るために、長時間でもゆっくりとした呼吸で腹式呼吸を行なうことが可能となります。
しかもゆっくりとした呼吸で腹式呼吸を繰り返し行なうことによって、副交感神経が刺激されてセロトニンが分泌されていき、その結果不安や恐怖心などが和らいで心が落ち着いていきます。
特に寝る前にゆっくりとした呼吸で腹式呼吸を繰り返して行なうことによって、深い眠りにつくことが出来ます。