呼吸には胸を膨らませて行なう胸式呼吸と、お腹を膨らませて行なう腹式呼吸がありますが、胸式呼吸と腹式呼吸の特徴と、腹式呼吸を日常的に行なうことによるメリットとデメリットについて述べていきます。
胸式呼吸と腹式呼吸の特徴
胸は肋骨に囲まれていることもあって胸を大きく広げて呼吸をし難いので、基本的に胸式呼吸は浅い呼吸になる傾向があります。
特に猫背であったり姿勢が悪いと、呼吸も浅く回数も増えていきます。
浅い呼吸は吸った空気が肺の中に入りきる前に吐き出してしまうために、肺の中に酸素が行き届き難くなる場合があります。
そして、二酸化炭素などが排出され難くなって肺の中に残り、その結果血行が悪くなることもあります。
浅い呼吸は自律神経の交感神経を刺激し、ストレスや緊張が高まるとさらに交感神経を刺激することになってしまい、自律神経のバランスを壊してしまう場合もあります。
ただ、交感神経は活動を活発にして集中力を高めてもくれるので、日常の活動を行なうには交感神経が活発に働いていることが重要になるので、そういう意味で普通に行なっている胸式呼吸は、交感神経を刺激する重要な役割を担っているともいえます。
それに対して腹式呼吸は、横隔膜を大きく動かして呼吸を行なうことで深い呼吸を行なうことができます。
深い呼吸は多く酸素を肺に送り込むことができるので、肺の中の二酸化炭素などが残り難くなり、血行が促進されます。
横隔膜の動きが副交感神経を刺激して緊張から開放されたり、心の落ち着きを得られる効果も生んでくれます。
そして、内臓の活動を活発にして食べた物の消化活動が盛んになり、リンパ球が増えるので免疫力も高まります。
このように腹式呼吸は心の安定をもたらし健康をサポートしてくれる呼吸法ということになります。
腹式呼吸を行なう上でのデメリット
腹式呼吸を行なうことでリラックスすることができるので、日常的に行ないたいと思ってしまいますが、リラックスをし過ぎると良くない場合があります。
リラックスをしているということは、副交感神経が活発になっているということになるのですが、副交感神経が活発になると、精神的にはヤル気が起きなくなり、最悪うつ状態になる場合もあります。
肉体的には体温が低下したり、アレルギー症状が出易くなってしまいます。
そのため日常的に行なう呼吸は胸式呼吸でよくて、緊張を解きほぐして力を発揮したいときに腹式呼吸で深い呼吸を行なったり、睡眠前に腹式呼吸を行なうというように、日常生活の中で腹式呼吸を上手に使うことが重要になります。
まとめ
日常の生活の中では胸式呼吸は一番適した呼吸法になりますが、一方ストレスがかかると呼吸が浅くなり易くなってしまいます。
それに対して腹式呼吸は、深い呼吸が出来る分ストレスから開放するときに行なうと、効果を発揮してくれる呼吸法になります。
結局どちらの呼吸法がよくてどちらがよくないということではないので、日常の中で賢く使い分けていきたいものです。