腹式呼吸によって得られる3つの効果があります。
まず自律神経を整えて深い呼吸を行なうことでリラックスすることができますし、腹式呼吸でインナーマッスルを鍛えてお腹ぽっこりを防ぎ内臓脂肪を燃やして健康の維持に働きます。
そして腹式呼吸で発声をすることで声量があって張りのある声を出すことができます。
そこで、腹式呼吸におけるこれら3つの効果のメカニズムについて述べていきます。
腹式呼吸がリラックスに働くメカニズム
呼吸には胸を広げて行なう胸式呼吸とお腹を膨らませて行なう腹式呼吸があります。
胸式呼吸は肋骨に守られている関係もあって基本的に浅い呼吸を細かく行なう傾向にあり、浅い細かい呼吸は交感神経を刺激して、血圧や心拍数を上げてヤル気や元気を高めてくれます。
それに対して腹式呼吸を行なうと、呼吸は深くなります。
内臓付近には太陽神経叢と呼ばれる神経の集中している場所があるのですが、腹式呼吸により呼吸が深くなるとその分横隔膜が更に動くようになって、太陽神経叢の副交感神経を刺激します。
副交感神経が刺激されると血管が広がって血圧や心拍数が下がり、神経伝達物質としてセロトニンが分泌されます。
セロトニンが分泌されることで心を落ち着いてより深いリラックスが得られ、ストレスへの抵抗力も高まります。
そして睡眠時には、セロトニンは睡眠ホルモンであるメラトニンに変わって睡眠を深くしてもくれます。
このように、腹式呼吸を行なうことで副交感神経が刺激され、深いリラックスを得ることができます。
腹式呼吸が健康維持に働くメカニズム
腹式呼吸によって副交感神経が刺激されると、神経伝達物質であるアセチルコリンが分泌されます。
アセチルコリンは唾液の分泌を促して胃や腸に働いて胃や腸の消化活動を活発にし、血管を拡張して血流を増やすので栄養分が体内に行き渡り易くなり、その結果新陳代謝が高まっていきます。
その一方で、インナーマッスルの横隔膜は呼吸に働く筋肉になり、腹横筋は内臓の位置を固定して腹圧を高める筋肉になりますが、腹式呼吸によってこれらの筋肉を鍛えると、内臓が下がってお腹がぽっこりになることを防ぐことができますし、新陳代謝が高まることでお腹に溜まる脂肪を減らしてくれます。
このように腹式呼吸を行なうことで、健康の維持に働く効果を期待することができます。
腹式呼吸による発声へのメカニズム
腹式呼吸を行なうことでインナーマッスルが鍛えられて腹圧が高まります。
腹圧が高まると、発声する声に力が入り、張りのある声を出すことが可能になります。
そして、腹式呼吸によって深い呼吸を行なえば肺活量も増えるので、声量のある声を長く出すことも可能になります。
まとめ
私達が暮らしている社会はストレス社会であり、飽食の社会でもあります。
そして、コミュニケーションの手段として声も重要な要素にもなってきます。
そのような中で生活していくために、腹式呼吸のメカニズムを理解して活用していきたいものです。