生まれたての赤ちゃんは腹式呼吸を行なうのかと、疑問に思ったことはありませんか?
そして、腹式呼吸を行なうとしたら何故なのでしょうか?
新生児の赤ちゃんから乳児・幼児そして学童に至るまでについて、身体的な特徴を交えて述べていきます。
新生児や乳児の身体的特徴と呼吸について
生後4週間までを新生児といいますが、新生児の赤ちゃんは一日の内の殆どの時間を眠って過ごしています。
眠りから覚めても、飲んだら眠るを繰り返しているので、身体を動かさない分新生児の身体的な特徴は、肺の機能が未発達ということにあります。
具体的には、肺の容量が小さくてガス交換面積が狭いのでその分呼吸数は増えるのですが、安定した呼吸を行なうことが出来ず、1分間に30回~60回ほどと振れ幅が広く頻繁に呼吸を行なっています。
このようなことから、新生児の赤ちゃんは肺で呼吸を行なうことは出来ず、腹式呼吸を行なっています。
生後から1歳未満で歩き出すまでの期間を乳児といいますが、1分間の呼吸数は30回~50回と新生児の時期よりも減っていますが、まだ呼吸数が多い分肺の機能は発達途中であり、肺で呼吸を行なうことが出来ないので腹式呼吸を行なっています。
幼児や児童の身体的特徴と呼吸について
1歳以上から小学校入学前までを幼児といい、小学生を学童といいます。
呼吸数は乳児で20回~30回と減ってきて、学童で18回~22回と肺の機能が発達していくにつれて呼吸数が減ってきています。
呼吸の方法で、腹式呼吸は副交感神経を刺激しますが、胸式呼吸は交感神経を刺激します。
副交感神経は身体をリラックスさせる効果がありますが、交感神経は身体を活発に動かすときに働くので、身体を激しく動かす時期に入る幼児期の後半から、運動量に応じて腹式呼吸だけでなく胸式呼吸も行なえるようになります。
そして、学童になると普通に行なう呼吸が胸式呼吸となり、日中の身体を動かす時間帯では腹式呼吸を行なわなくなります。
まとめ
生まれたての赤ちゃんは、肺の機能が発達していない分肺で呼吸を行なうことができず、腹式呼吸を行なっていることが分かりました。
腹式呼吸は副交感神経を刺激するのですが、睡眠時も副交感神経が活発に働いています。
そして、生まれたての赤ちゃんは一日の殆どを眠って過ごしていることからも、自律神経のバランスから考えると、新生児の段階では1日副交感神経が優位に働いていると考えることができますし、一番成長が著しい時期ともいえるので、腹式呼吸を行なって長時間眠っていることは、赤ちゃんの成長にとって重要なことになると思われます。