お腹には丹田があるという考え方があります。
丹田に身体の重心を置いて歌うと張りがあって声量のある歌声で歌うことができますし、武術でも身体の重心を丹田に置いて身体を動かすことを重要視しています。
腹式呼吸のやり方でも、丹田を利用した呼吸法があります。
そこで丹田を利用した腹式呼吸のやり方について述べていきます。
気が集積する3つの丹田
中国で発祥した道教の思想として、人体の3箇所に上丹田と中丹田そして下丹田という場所があるとされていました。
上丹田は眉間にある印堂というツボの奥3寸に中心がある球状をしていて、知性を宿しているとされています。
中丹田は胸の中央にある壇中というツボの位置の奥を中心にした球状をしていて、、愛や感情の気が宿っているとされています。
下丹田は臍の3寸下にある関元というツボの位置の奥を中心した球状をしていて、精を宿しているとされていて、この知性や愛そして精は広い意味で気のことを表しているので、この3つの丹田が人が生きていく上で重要な気のエネルギーを集積している場所とされています。
そして、日本古来の武術では、特に下丹田を重要視していて、下丹田に心と身体の重心を置くことを意識してしましたが、一般的に丹田といえば下丹田のことを言っていて、この下丹田を利用した腹式呼吸が丹田呼吸法になります。
丹田呼吸法の2つのやり方
より深いリラックス効果を得るには、神経伝達物質であるセロトニンの分泌が重要な鍵となり、セロトニンは丹田呼吸法のように同じ動作を意識して行なうことで分泌が促され、精神の安定などに働きます。
その丹田呼吸法のやり方ですが、位置的には膀胱の辺りになりますが、細く長く息を吐きながら膀胱の辺りを腰にくっつけるような意識で下腹部を凹ませます。
そして、横隔膜を下げていくイメージを描きながら、吐いた反動で下腹部を膨らませるように息を吸いこの動作を繰り返します。
この丹田呼吸法のポイントは、臍から上のお腹は動かさないで下腹部だけ膨らませたり凹ませることになります。
もうひとつの腹式呼吸のやり方は、逆複式呼吸で行なう丹田呼吸法になります。
具体的なやり方ですが、横隔膜が上がっていくイメージを描いて細く長く息を吐きながら下腹部を膨らませます。
そして、横隔膜が下がるイメージを描いて息を吸いながら下腹部を凹ませ、この動作を繰り返します。
この丹田呼吸法のポイントも、臍から上のお腹は動かさないで下腹部だけ膨らませたり凹ませることになります。
最初は難しいですが、それを意識して行なっていくことで、セロトニンの分泌を促します。
こちらも朝に行なうことが効果的になります。
まとめ
丹田呼吸法はある意味テクニカルな呼吸法になるので、慣れるのに時間がかかる人もいるでしょうが、続けて行なっていくことで脳内でセロトニンが分泌されて、より緊張がほぐれてリラックスすることができるので、普通の腹式呼吸に慣れてきたら一度試してみたいものです。