歌を歌うときに高音の声が出難かったり、声がぶれたりして旨く歌えないことがありますが、高音の声を旨く出して歌うには幾つかのコツやポイントがあります。
そのいくつかあるコツやポイントの中でも、腹式呼吸の果たす役割に焦点を絞って述べていきます。
腹式呼吸で行なう地声での発声練習
声量があって張りのある声で発声を行なうためには、喉にかかる力を抜いて喉を開く必要があります。
しかし、これは息の通り道を広くして通り易くしただけで、息を吐き出す圧力が弱ければ声も弱々しい声になってしまいますが、息を吐き出す圧力を上げるには、腹式呼吸を行なって発声をすることもひとつの方法になります。
具体的には、まず上体の力を抜いて両足を少し開き、背筋を伸ばして顔は正面を向いて立ちます。
そして、ゆっくりと長く口から息を吐きながらお腹の臍の下5cmくらいのところに力を入れて凹ませます。
お腹がこれ以上凹まない状態になったら、そのままお腹に力を入れた状態で息を吐き続けて息を吐き切ったら、反動で空気が自然に入ってお腹が元に戻るように、膨らませながら鼻から息を吸い、この動作を繰り返します。
このとき口を少し縦に開いて地声で「あー」と発声し、発声の開始から終了まで声のブレがないように、吐く息の量と圧力を一定にします。
高音での発声法と腹式呼吸で行なう発声練習
あくびをするときには喉が開きますが、高音での発声法はあくびをするときのように喉を開き、舌を引いて鼻から声が抜けていくような感覚で声を出し、そして、出したい音を意識してその高さに乗っかるように出していきます。
ただ、地声での発声に対して高音での発声を行なう場合、加わる力が弱くなってしまい長く安定的に高音の発声ができ難くなってしまいますが、腹式呼吸によって腹圧を高めることで、高音での発声に力が加わって、長く安定的な高音で発声することが出来るようになります。
そこで、高音で発声を行なうためにインナーマスルを鍛えて腹圧を高め、腹式呼吸を行なうことで吐く息の量を増やします。
そうした上で地声での発声練習で行なった方法を行ないます。
息を吐くときの声は地声から音程を変えて裏声になるまでを順番に出していき、高音でも安定的に声が出るように練習します。
高音での発声が安定的に行なえるようになったら、同じ発声方法で例えばかえるの合唱を「あー」だけで歌ってみます。
そして、1フレーズ歌ったら音程を上げてまた1フレーズを歌っていき、自分が出せる高音域まで行ないます。
まとめ
高い声を出すには、喉にかかる力を抜いて高音で発声練習を行なうことで、発声で使う筋肉を鍛えるしかありませんが、腹式呼吸で発声することで、高音の声を出すときに必要な吐く息の圧力を高めることは可能になりますので、腹式呼吸で腹圧を高めて高音で歌えるように練習することもいいかもしれません。