呼吸法には胸を動かして行なう胸式呼吸とお腹を膨らませたり凹ませて行なう腹式呼吸がありますが、それぞれの呼吸法が心臓に与える影響があります。
そこでそれぞれの呼吸法が心臓に与える影響について述べていきます。
胸式呼吸による呼吸法が心臓に与える影響と効果
胸式呼吸は基本的に無意識で行われている呼吸になり、自律神経である交感神経の影響を受けているために、胸式呼吸を行なっていると交感神経が刺激されていきます。
交感神経が刺激されるとアドレナリンが分泌されていきます。
そしてそのアドレナリンが分泌されることで血管が収縮することによって心臓が血液を送り出す圧力が高まるため、血圧が上がったり心拍数が上がっていきます。
特に精神的なストレスが長期間溜まっていると、この心臓に負担をかけている状態が続くため、その結果心臓が弱ったり最悪心不全になることもあります。
しかも胸式呼吸を行っている状態で睡眠に入ろうとしたときに、過度なストレスがかかっていると脈拍も上がるので動悸がして寝付け難くなったり、胸を圧迫されているような感じを覚えたり、めまいや立ちくらみに襲われることもあります。
腹式呼吸による呼吸法が心臓に与える影響と効果
腹式呼吸による呼吸法を行なうと、お腹を動かすことで胸式呼吸よりも横隔膜を大きく動かすことになり、その横隔膜の周期的な動きが副交感神経を刺激してセロトニンが分泌されていきます。
セロトニンが分泌されると、血管が拡張して血流が良くなることによって血圧が下がっていき、その結果心臓にかかる負担は減っていくために心拍数や脈拍も下がっていきます。
特に睡眠前に腹式呼吸を行なうと、副交感神経が刺激されることで分泌されたセロトニンの影響を受けてメラトニンが分泌され、その結果深い睡眠に誘ってくれるので睡眠前の動悸が気になって寝付けないということはなくなっていきます。
心臓に良い腹式呼吸の練習方法
心臓に良い腹式呼吸の練習方法ですが、まずへその下3cm~5cmの位置に両手を置き、口からゆっくりと息を吐きながらお腹の両手を置いている位置を凹ませていきます。
そしてお腹がもうこれ以上凹まないという状態になったら、その状態でお腹に力を入れて息を吐ききります。
次に息を吐ききったらゆっくりと息を吸いながらお腹の両手を置いている位置を膨らませていき、この呼吸法を繰り返して行っていくことで心臓が落ち着いて寝付きも良くなっていきます。
まとめ
胸式呼吸は交感神経を刺激することで心臓の活動を活発にしていきますが、ストレスが長期間過度にかかっている状態が続くと心臓に負担がかかってしまい、その結果心臓が弱ったり最悪心不全になることもあります。
一方腹式呼吸による呼吸法を行なっていると副交感神経が刺激されることで心臓にかかる負担を軽減して、ストレスなどによって起きる心臓の病気を軽減する可能性があります。