長く声を伸ばして歌うことをロングトーンといいますが、このロングトーンにビブラートかけて歌うやり方があります。
一定の音域で周期的に震えるこの歌い方は時にその歌の味を深めて、好感を持たれる要素にもなり得ます。
しかし、息が続かないなどでの震えではないビブラートは、そのやり方をマスターすることで行なえる歌い方にもなります。
そこで、ビブラートのやり方と腹式呼吸での練習方法について述べていきます。
綺麗なビブラートで歌うための3つの条件とビブラートで使う場所の違い
綺麗に聴こえるビブラートは3つの条件を満たしています。
一つは一定の音域で周期的に音が揺れていることになります。
そして、音が揺れる周期が一定していて、最後まで音量が続いて途切れないことになります。
このように声をコントロールして音を震わせて歌うのがビブラートになりますが、ビブラートのやり方は歌う人によって一概には言えず、基本的に使う場所によって3種類のやり方があります。
ひとつは口の開け方でビブラートをかけるやり方になります。
このやり方は、ロングトーンで顎を下げたり上げたりすることで、音程を変えて歌うやり方になります。
ビブラートのやり方を練習する最初の段階として、まずこの方法で練習してビブラートの感覚を憶えてから、違う練習方法に入るとより自然にビブラートをかけた歌い方ができるようになります。
そして次は喉を使ってビブラートをかける方法になります。
喉を使ってかけるビブラートのやり方は、ロングトーンのときの母音に強弱を入れる方法になります。
ビブラートは1秒間に6回行なうことで綺麗に聴こえるとされているので、1秒間に6回を目安に練習を行なっていきます。
そして最後に腹式呼吸によって横隔膜を動かして行なうビブラートになります。
横隔膜を動かして行なうビブラートは習得することが難しいやり方になりますが、喉の力を抜きながら腹式呼吸を行なって歌うことで、習得することが可能となります。
横隔膜を動かしてビブラートをかける練習方法
暑い日やダッシュしてきたときの犬は、舌を出して「ハッハッハッ」と息をしています。
そのときに動いているお腹が見えると思います。
息が荒くなったときなどにお腹の動きが分かりますが、普通犬は腹式呼吸で生活をしています。
この息遣いをドギーブレスといいますが、このドギーブレスで歌うやり方をマスターすることで、横隔膜を動かしてビブラートをかけた歌い方を習得することができます。
具体的な練習方法は、犬の真似をする気持ちで舌を出して「ハッハッハッ」と短く切ってリズミカルに息を吐きます。
このときにお腹に手をあててお腹が動いていることを確認します。
これができたら実際に声を出して「ハッハッハッ」と言ってみます。
この練習を繰り返してお腹の動きを感じるようになれば、同じお腹の動きで「ハー」とロングトーンで声を出して歌うとビブラートをかけえ歌うことができるようになります。
まとめ
ビブラートをかけて歌うやり方にはいろいろとありますが、腹式呼吸のやり方で横隔膜を動かして行なうビブラートは、声に声量があって張りのあるビブラートができます。
実際、岩崎宏美さんや尾崎紀世彦さんして本田美奈子さんは、この横隔膜を使った歌い方をしている歌い手になります。
特に晩年の本田美奈子さんのビブラートのきいたロングトーンは圧巻でした。